ヒトの気持ち大転換期~未来への暮らし方検討開始~

TOMO-KURA 第三回コラム
2013-09-25
TOMO-KURAコラム 第三回

皆さん、こんにちは。
TOMO-KURAコラム担当研究員の向と申します。

今回のコラムのテーマは、犬と過ごす未来の「住居」と「暮らし」です。

最近、私個人としまして、日本の将来における「人と動物の住み方・暮らし方」を、地域づくりの観点から考える事が多く、今回のコラムでも「未来における犬との暮らし方」をテーマとして、少し考えてみる機会とさせて頂きました。

あくまでも個人的観点が多分に含まれておりますので、その点をご了承頂きご一読頂けますと幸いです。

(1)若者の不安煽る現代社会

現代の我が国におきましては、以前までのコラムでもお伝えしている様に、人口減少と共に進行する少子超高齢社会や対人関係の希薄化、または年金医療介護の社会保障給付課題や「国の借金1000兆円超」に格差問題等が各種メディアでもクローズアップされる事が多くなって来ています。

そうした中で、日本人の誰もが自分自身の未来に対して、漠然とした不安感を抱いているのではないでしょうか?私自身も現在32歳ですので、「若いうちは何とかなっても、将来おじいちゃんになった時は大丈夫かな」といった具合です。更に、人は加齢や老いに伴い、退職期の情緒や近親者との死別などで様々な心身不安・負担を強いられる事も少なくないのが現状です。また、家族の距離感や孤立死や貧困といった日本の悲しい部分も、私自身介護職員なので感じる事が多々あります。

(2)火蓋を切る居住新時代

さて本題ですが、近年こうした現代社会の背景や、自身の将来的な不安の中から、若者や高齢者のシェアハウスやコレクティブハウス等の「みんなで暮らし合う」という価値感が都市部を中心に人気を集めています。また、過疎地であるからこそ、みんな協力して暮らそうという考え方も増えてきています。

最近では、神奈川県相模原市藤野町の「里山長屋暮らし~藤野プロジェクト」なども有名です。また、藤野町はノーマライゼーション特区指定も受けており、障がいを持った方々とも共にどう暮らし合うかが考えられているのが、また一つ面白い特徴かと感じます。日本中に今、そうした観点からの「住み方」や「働き方」などが、考え方やムーブメントとしても広がりを見せ始めています。

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更に、喫緊の課題でもある超高齢社会対策として、国が補助・助成を進めている、「サービス付き高齢者向け住宅」が近年急速に増えてきています。これは、1人で暮らせなくなった高齢者を支える新たな受け皿として期待が高まっており、国はこうした高齢者住宅を企業参入に期待し、2020年までに全国に60万戸(自民党政権100万戸目標案もあり)に増加する予定です。

勿論、以前の高齢者専用住宅における課題も浮き彫りになっており、更に将来的な高齢者の在宅医療充実の不透明さや社会保障問題等とも重なってくる為、「サービス付き高齢者向け住宅」の今後には注視していく必要がある様にも感じます。他にも、ペット同伴入所・通所の高齢者福祉施設も増加してきており、シニアビジネスとしても今後増々の市場拡大が見込まれております。

今回のコラムでお伝えしたいのは、上記の様な時代の多角的な流れを少し観ていく中で、未来における暮らし方の意義・思考・効率・採算等を考慮しても、人同士が「暮らし合う」環境構築が増えていく可能性が高い様に感じるという点です。そして更に、人同士が未来の国や公共福祉サービスだけに頼る事なく、互いの不足や不便さ(しにくさ)を補い合って協力の中で暮らしていく事も出て来ると感じています。それは1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)や、記憶に新しい2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)により発生した被害や人々の経験や感情が、日本国民全体の「人との繋がり」の重要性を再確認させた事になるのかもしれません。

因みに、東北では現在も、避難転居者28万9611人(2013年8月12日現在)、死者・行方不明者計1万8537人(2013年9月10日現在)となっており、原発問題や風評被害等含め、被災された方々のこれからの暮らし方を真剣に考えていかなくていけない苦悩や哀しみを改めて想います。

(3)犬は「人」と「ヒト」のボンド

本題に戻しますが、そうした人々が集まり協力して暮らし合う事は大切で、大変意義深いものがあるという点はご理解頂けた事と思いますが、やはりこうした共同スペースや暮らしで起こる問題は「人間関係の大小トラブル」に尽きるのではないでしょうか。

ここで、ようやく動物の存在価値や意義を、より大きく訴える事が出来るのですが、それは、動物という存在の力が持つ「社会潤滑油的効果」という名称でまとめて表す事が可能かも知れません。これは、簡単にいうと「人と人のコミュニケーションや繋がりをよりスムーズに行ってくれる効果」の様な説明でも構わないと思います。

私は、動物という存在にはこうした効果が多分に含まれていると感じます。そうした効果や影響が、集合住宅やシェアハウスやコレクティブハウス、高齢者施設や各コミュニティに必ず必要になってくるとさえ考えます。現在、50代~60代の方々の犬飼育率が最も高い為、将来性を考慮してもこの観点は様々な現場で重要になるかと思いますし、それがもたらす様々な波及効果は心身・社会的な効果に留まらず、経済や地域活性にも繋がる時代がくるのではないでしょうか。

ここで、私が簡単にまとめました、人の暮らしに犬を介在させた場合の「社会潤滑油的効果」一覧を少し記載致します。
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(1)対人コミュニケーション活性
(2)共通項話題の確認・増加
(3)パーソナルスペースの縮小
(4)アイスブレーキング効果
(5)飼育における外出機会増加
(6)対外部意識向上による社会性拡大
(7)etc

簡潔に説明させて頂くと、犬が暮らしに存在する事により、自然発生的な動作や役割が増えると共に、犬というキーワードで集まれる仲間や他者との交流促進が期待出来ます。また、犬自体が対人関係における緊張感を解きほぐし、その関係を良好なものへ導いてくれる事実も認められています。更に、脳科学的な観点から観ても、犬と関わる事でコミュニケーションに重要な前頭葉前頭前野の血流活性等が確認出来ておりますし、オキシトシン等のホルモン分泌も促進され免疫力が向上するデータ等もあり、総合的に健康で暮らしを楽しみ生活出来るのではという研究結果が多い様に感じます。

こうして、生活の中に人同士だけで暮らす事より、様々な動物や自然が傍に存在し、より豊かな生活環境を構築していく事は、前述した問題定義の「人間関係の大小トラブル」の軽減に繋がっていく事が期待されます。但し、勿論「動物が好き」というキーワードで集まった集合・共同住宅であるという前提であります。現実、これが明確でなかった場合には、逆に動物がトラブルの原因になる事は充分に考えられますので、ご注意頂きたく思います。

尚、世界の様々な文献や研究を確認した際も、9割は動物を人に介す効果として「有効な結果」が多いのに対し、1割は「有益でない結果」の研究成果や論文発表があるとの事です。今回、私自身にとりましても、本コラムを書くにあたり介護畑の一スタッフとしまして、十人十色、一人一人に合った生き方プランや暮らし方、医療やケア構築が重要なんだと改めて考えていく機会ともなりました。

また、現在既に、建物の基準にすら国土交通省よりシェアハウスに待ったがかかっており、全体の約8割2000棟以上が国などの基準で「不適合」とされる可能性が高い、狭く危険な「脱法ハウス」の問題に取り組み始めております。更に、実際の未来において、動物に関する必要経費負担に、各個人がどれ程実費サービスとして耐えられるかどうかという時代的背景の懸念等も、現実的には様々な角度から多分に発生していく可能性も補足致します。

(4)ヒト+イヌ=イノチ

最後に、誤解がない様にお伝えさせて頂きますが、私自身は動物だけと暮らす生活や、ペットだけに看取られる様な最期を送るべきではないと考えます。あくまでも、人は人と共に暮らしていく事が前提であり、人は人によって看取られるべきだと考えますし、それが自然だと思います。私は、こうした現代の背景や時代の流れを考慮して、動物という存在は人の人生をより良いものに出来る可能性がある、価値ある素晴らしいものであるという観点の一側面を今回お伝えしたに過ぎません。

勿論、安易な動物購入や飼育に私は反対ですので、どうぞこうした人生構築にご興味のある方は、ご自身で調べ体験し、検討を繰り返した後に実践してみて下さい。日本に暮らす私達は、世界的に見ても現時点ではとても裕福です。それは、これまでの経済・治安・インフラ・皆保険・医療福祉水準等の高い基準を維持してきました。しかし、未来はどうでしょうか。人の心やその距離感はどうでしょうか。そうした自問自答の中で、どの様な暮らし方や住み方、動物を含む様々なパートナー選びをしていくかが大切で、そこに自身の意思・意義を確かに持ち、人との稔り多い人生の生活(命の完遂)に繋げて頂ければ幸いです。

最後までお読み頂き、有難う御座いました。
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※記事担当:Animals119研究員向宇希


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