TOMO-KURA…重要なペットの存在

2013-06-30
TOMO-KURAコラム 第二回

皆さん、こんにちは。
今回は、私の専門分野でも御座います「動物介在社会福祉」という観点から共生を考えていきたいと思います。

皆さんは、「アニマルセラピー」という言葉を御存じでしょうか? 正式には動物介在療法・活動・教育となります。

最近では、医療・福祉・教育現場等に動物を連れて行き、要介護者の認知症ケアや患者さんのリハビリテーション導入など、「癒し」という言葉に留まる事なく、身体・精神・社会・脳科学的な効果を狙い各現場で取り入れられてきております。

また近年では、日本でも「社員犬」といって、企業にて業務中の各オフィスやフロアを犬が巡回する様な取り組みも行われてきており、メンタルヘルス対策・レクリエーション・広報活動等の一環としても注目が集まっております。

さて、そうした昨今において、我が国における平成24年度犬飼育状況(一般社団法人ペットフード協会調べ)を年代別に見ていくと、実は21.4%で50歳代の飼育率が平均を上回り最も高く、次いで60歳代が18.2%と続きます。逆に子育て世代の30歳代は飼育率が最も低く、将来を見据えた上でも高齢者層を中心にペットのニーズが強いという現状が見えてきた事が解ります。

つまり、核家族化・少子超高齢社会・社会性の希薄化等の諸問題が多数存在する現代において、愛犬(ペット)にその潤滑や満たしを期待する50歳代以上の方々(ご夫婦)が増えてきているという点が大変興味深いと思います。

将来、こうした方々が健康で楽しく暮らしていく為にも、実はその愛犬(ペット)の存在がとても重要であるといえます。医学・科学的な根拠や研究は色々ありますが、今回は少し例を出しながら簡潔に私の考えをご説明させて頂きます。

例えば、一人暮らしの高齢者の方が一軒家で過ごしていると、屋外に出る機会や社会性が弱くなりがちです。その結果、筋力低下や発声・発語の減少、認知症発症リスク等様々な悪循環を生んでいく事になり、閉じこもりや要介護状態になってしまう危険性もあります。

それに対し、例え一人暮らしであったとしても、愛犬と共に暮らしている高齢者の方の場合は、まず散歩・買い出し・獣医・トリミング等、様々な用事が自ずと増えます。更に、朝食を食べない高齢者の方が増えている現状において、一人暮らしではなく愛犬がいるからこそしっかり起床し、犬の朝食を用意する事を怠らない生活リズムが出来てきます。

何よりも、自分自身の為だけに人は動きにくいという事実がありますが、「あの子(犬)の為」という動機付けの観点から自発性を持つ事で、「最期まで必要とされながら生きる」という人の生き方における最も大切な要素を身近に感じられる存在が、まさに愛犬(ペット)という事になるのではないかと感じます。

勿論、それ以外にも屋外に出る機会が増加するという事は、様々な人に会い、動物という共通項・相性などで仲間や友達が増えていき、またそれが人を呼び波及していく効果や、在宅生活における衛生面での確保など、ペットがいるというだけで興味深い影響が様々あります。

今回は解り易くする為にも、両極端な高齢者独居の例を記載させて頂きましたが、これはあくまでも解説上の例ですのでご了承下さい。只、こうした環境構築や生活習慣から、人は健康や喜び、コミュニケーションや生きがい等を見出していく事が出来ると思います。

ペットはその一助に充分成り得る存在であるといえるのではないでしょうか。実際、既に高齢者施設でもペット同伴通所・同伴入所等の可能な施設がどんどん出来てきている事自体が、そうした様々なニーズが現在・将来に存在する確かな証拠なのかも知れません。その結果、高齢者の方々における病院入院や施設入所等が原因で棄てられてしまうペットが減少するという事に繋がると確信致します。

最後に誤解のない様、私は上記の様に書かせて頂いておりますが、動物だけに看取られる最期を推奨している訳では御座いません。実際に私自身も現職の介護職員であり、現場経験10年間の中で沢山の方々を看取って来ました。在宅でも施設でも…。

私は「人は人によって看取られる最期を送るべき」と常に考えます。愛犬を始め様々なペットは、そうした人と人を繋ぐ役目を最期までしっかり担ってくれる存在であると思います。その為には、みんなが助け合って、健康で楽しく暮らしていく事が本当に重要だと思うのです。

2060年には高齢化率が39.9%となり、現役世代1.2人で高齢者一人を支える人類未曾有の時代に日本が先頭を切り突入していきます。更に日本は、2060年に長期人口減少過程の結果8,674万人まで人口が減少し、出生数も同様に48万人まで減少する試算が出ております。そうした中で、平均寿命は女性が90歳を超えるという時代になっていきます…。

現在の超高齢者社会はまだまだスタートラインに立ったところと言った感じでしょうか?

この問題は、アジア諸国にもいえる事ですが本当に大変な時代になります。その時に頼れるのは、国の法や制度等のシステムだけではなく、現代でも始まっている長屋プロジェクトや多摩プロジェクト、江戸時代の様な「みんなが個々人・地域・社会・列島で支え合う日本」なのかも知れません。その時に、またこうしたペットという存在は沢山の存在意義・提議を私たちに投げかけて来る様な気がしてなりません。

私は、現代・将来における「互いの命を大切にする総合的な福祉社会」の重要性を訴えたいと思います。

人が喜びを持ち生きていくには、「日常という非日常」をどれだけ大切に出来るかが鍵になる様な気がします。人と人、人と動物、人と自然、人と経済等々、世界は様々なものが関係を織り成し共生して成り立つものばかりです。

今後とも「TOMO-KURA」という広大なテーマを大切に活動を続けていきます。

※記事担当:Animals119研究員 向 宇希


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